事業者の取り組み紹介

包装・梱包のプロ五十嵐商会が形作る「物だけでなく想いも届ける」姿勢

株式会社五十嵐商会

包装・梱包資材や機材の卸・小売を行う五十嵐商会は、「環境×効率×人間らしさで業界をリードする一企業になる」というビジョンのもと、お客様の課題に寄り添うトータルプロデュースを展開しています。「2025年度北区SDGs推進企業」の認証取得や再エネ電力への切り替え、リサイクル資材の提案など、持続可能な社会と地域に向けた積極的な取り組みを進めています。

五十嵐商会は、半世紀以上にわたり現場のニーズに応え続けてきた地域密着型の包装・梱包資材専門企業です。

 

段ボールや粘着テープ、緩衝材に加え、様々な厚みのポリ袋、食品の包装・小分け作業で必要な使い捨て手袋やアルコール消毒液といった衛生用品など、包装・梱包に関わる商品を幅広く取り扱っています。

 

同社の主要なお客様は、メーカーや小売などの荷主企業に代わり、荷物を預かって梱包発送を担う3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業者をはじめ、感染対策用ポリ袋などを必要とする病院や介護施設、そして東京・埼玉のモノづくりを支える製造業など多岐にわたります。

 

  

 

半世紀以上培われてきた「ネットワーク」と「フットワーク」

「私たちの強みは、仕入れ先との強固なネットワークと、他社が供給を断る状況下でも代替案を見つけ出すフットワークの良さです」と話すのは、2代目社長の脊板幸子氏。

 

その強みが遺憾なく発揮されたのが、全国的にマスクや手袋が不足したコロナ禍のことでした。 同社はもともと食品の包装・小分け作業用の使い捨て手袋やアルコール消毒液を扱っていた背景から、病院や介護施設からの問い合わせが殺到。本来は包装・梱包用途として使われないものであっても、同社は数ある仕入先に相談と交渉を重ね、全国の病院や介護施設へ安定供給できるよう奔走しました。

 

問い合わせに対して「ありません」で終わらせず、必ずどこからか探して届けるという誠実な姿勢が評価され、約6年前から食品の包装・小分け作業用だけでなく、医療・介護現場向けの衛生用品も本格的に販売するようになったといいます。

 

 

「私たちが最も大切にしているのは『お客様に寄り添う』ことです。私たちは、まずお客様のお悩みを聞くことを一番大切にしています。日々の雑談を通してお互いの状況や想いを知ることで本質的な課題が見え、双方にとって最も効率的かつ最適な提案ができると思っています」(脊板氏)
また、こうした社外への姿勢は、社内のチームワークづくりにも活かされています。

 

同社では、Googleフォームで集めた業務日報の内容をAIで可視化・ビジュアル化するユニークな取り組みを行っています。業務日報の内容からお客様への最適な提案をみんなで相談し合ったり、個人の頑張りをアニメ風に表現して可視化・フィードバックしたりすることを通して、社員の自己肯定感を高め、人事評価やモチベーション向上にも役立てているそうです。

 

  

 

北区SDGs推進認証と再エネ電力導入、挑戦の裏側

2023年、同社は経営指針とビジョンを刷新し、「環境×効率×人間らしさで業界をリードする一企業になる」という方針を打ち出しました。

 

この経営理念の成文化とともに本格化させたのが、SDGsに関する取り組みです。

 

即行動派の脊板氏は、北区の経営者仲間との勉強会や区の検討委員会に参画。それらをきっかけに、同社は「2025年度北区SDGs推進企業」の認証を取得しました。

 

すでに認証を受けている北区の先行企業からの助言を受けた同社は、まず自社オフィスの環境配慮策に着手。照明のLED化に加え、リバースオークションサービス「エネオク」を活用した再生可能エネルギー電力への切り替えを2026年5月から開始しました。

 

導入の背景について、脊板氏はこう振り返ります。

 

「電力を減らすといっても、日常でポチポチと電気を消すだけでは限界があります。早くて無理なく効果を出せる方法を考えたとき、再エネ電力にするのが一番やりやすい取り組みだと思ったのが最初のきっかけでした。最初は『再エネにするとコストが高くなるのでは』『本当にエコなのか』という疑問もありましたが、オークション方式でコスト面がクリアになったことに加え、エコを推奨し取り組んでいる電力会社を応援することにつながるという点に納得し、決断しました」

 

本業である商品提案においても、お客様の作業時間削減と環境負荷低減を両立する視点を取り入れ始めています。

 

 

具体的には、資材を削減できるコンパクトな梱包や緩衝材一体型の封筒、使用済み資材を国内でペレット化(粒状化)して再利用する「水平リサイクル」のPPバンドなどを展開しています。また、従来から取り扱っている気泡緩衝材(通称プチプチ)についても、再生原料を80%以上使用した環境配慮型への切り替え・ご提案を積極的に進めています。

 

さらに、五十嵐商会の店舗「パッケージプラザイガラシ」では、回収・リサイクルを呼びかける「プチプチボックス」を設置。卸業者として「環境に配慮した商品を正しく伝える責任」を果たすとともに、販売後のリサイクル推進にも取り組んでいます。

 

 

これらの取り組みにより、取引先から「SDGs推進企業なんですね」と声をかけられる機会が増え、環境配慮型資材の提案がよりスムーズになったといいます。社内においても、会社の進むべき方向性に対する納得感が深まり、「どう取り組めばお客様や地域のためになるか」を社員同士で主体的に考える良い関係性が築かれています。

 

 

脊板氏は最後に、「SDGsと聞くと遠い未来の話のように感じられがちですが、自社で以前から取り組んでいた子ども食堂への参加や留学生の職場体験・インターンシップ受け入れなども『まさにSDGsそのものだな』と気づかされました。こういった事業や地域の中で『すでにやっていること』を一つひとつ集め、具体的な数値目標を設定して社内全体で取り組みの意義を深めていきたいと思います。また、SDGs推進企業の輪が北区で広がっていくのもとても楽しみです。お互いに情報交換を行い、仲間が増えて取引や連携が深まることで、より強い地域循環を作っていきたいです」と語りました。

 

事業者プロフィール

株式会社五十嵐商会

半世紀以上にわたり包装・梱包資材、梱包機械、衛生用品等の卸・小売業を営む、包装・梱包資材専門企業です。3PL事業者、病院・介護施設、製造業を中心に、現場の課題に寄り添ったトータルプロデュースを提供しているほか、地元住民が購入可能な包装資材専門店『パッケージプラザイガラシ』を運営しています。「2025年度北区SDGs推進企業」認証取得。

株式会社五十嵐商会:https://www.igarashi-sk.jp/

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