事業者の取り組み紹介

瀧野川信用金庫、「相互扶助 」の橋渡しで地域の脱炭素化を後押し

瀧野川信用金庫

創業から85 年以上にわたり、「たきしん」の愛称で親しまれてきた瀧野川信用金庫は、支店単位でLED照明や電気自動車の導入を行うほか、「経費削減」を切り口にした中小企業の脱炭素化への支援など、持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを進めてきました。自治体と地域の事業者との橋渡しすることで、地域の中小企業の企業価値向上にも努めています。

瀧野川信用金庫は、創業から85年以上にわたり、「たきしん」の愛称で親しまれてきました。北区に本店を構え、足立区や埼玉県川口市など広い範囲に支店を持ち、それぞれのエリアの住民や事業者とFace to Face で対話をしながら資産管理や事業の回復・発展への支援などを行っています。

 

信用金庫の事業のほか、北区の「ポイ捨て防止キャンペーン」などの地域の清掃活動や行事にも長年取り組んできました。

 

清掃活動は、活動の大変さや終わったあとの爽快感、やりがいを全員に味わってもらうため、各支店全員体制で参加するのが同金庫の決まりで、このほか地域のお祭りの手伝いや子どもたちの登下校を見守る交通安全活動などにも参加しています。

 

 

同金庫の常勤理事・岩﨑浩一郎氏によると、こういった清掃活動やお祭りに参加することで、地域の方との交流が生まれ、自然と職員たちの「地域社会の一員である」という意識が培われているのだといいます。

相互扶助の精神はSDGsに通ずる

SDGsの国際的な浸透を受け、同金庫は 2020年の経営理念の見直しとともに、2021年には SDGs宣言を行っています。

 

同金庫の経営理念である「地域社会の繁栄に奉仕し、中小企業の発展と地域住民の豊かな暮らしの実現に貢献する」にある通り、「相互扶助」を基本理念とする信用金庫として、持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを進めるのは当然の流れだったといえます。

 

同金庫は東京都北区SDGs推進企業認証制度において、2024年10月に「北区 SDGs推進企業」として認証されており、支店単位で様々な脱炭素への取り組みを推進しています。

 

日々の取り組みでは、電気使用量の削減のため、約10年前から全店舗の営業スペースにLED照明を導入し、通年ノーネクタイ・クールビズ・ウォームビズによってオフィスの空調使用を抑える工夫を行っています。

 

また、計5台の電気自動車も導入済みで、本店には充電設備だけでなく、災害時にも対応できるよう給電機器も設置されているほか、2023年3月には約50台のiPadを導入することで会議資料の印刷などをなくし、ペーパーレス化も推進してきました。

 

 

これらSDGsの取り組みやその意義を職員へ浸透させるため、SDGsについて学ぶ通信講座や銀行業務検定のSDGs分野の資格取得も推奨しています。

お客様に向けた啓発活動にも力を入れており、通帳を植物インキで印刷したものに変え、それを見える化したり、北区と連携して熱中症対策グッズを配布するなどの活動を行っています。北区と連携した熱中症対策は、2025年7月下旬にも予定(7月22日から8月1日に実施済)されており、ウェットティッシュを配布するほか、涼みどころを紹介するPR動画も配信する予定だといいます。

 

 

「経費削減」を切り口に中小企業の脱炭素化へ

同金庫は独自のビジネスマッチングサービス内で、中小企業の省エネ推進を支援するため、LED照明をはじめとした省エネ設備を提供する企業と連携し、省エネ設備導入支援も行っています。

 

このサービスは、初期費用ゼロでLED 照明、空調機、冷蔵庫などの最新の省エネ設備を導入できることが大きな特徴で、導入後の電気料金削減分をサービス料として5年間で分割支払いする仕組みです。

 

2025年3月末時点で、同サービスを導入した事業者は37社に上り、約101トンのCO2削減を実現したといいます 。これは、杉の木7,246本の植樹をしたときのCO2排出量削減と同等であるうえ、導入した多くの事業者から電気料金が低下したと嬉しい声が上がっているそうです。

 

「中小企業にとって、脱炭素への取り組みはコストの課題が大きく、『SDGs』『脱炭素』『環境問題』といった切り口で話をするのは難しいのが実情です。そのため、『経費削減』というメリットから入り口をつくり、結果的に脱炭素への取り組みに繋がるような支援を心がけています」と岩﨑 氏は話します。

 

また、区からのお墨付きは、中小企業の信頼性や企業価値の向上に寄与しやすいことから、地域の事業者に対し、「北区SDGs推進企業」の認証取得を促す施策や支援にも取り組んでおり、自治体と地域の事業者との橋渡し役としても重要な役割を担ってきました。

 

 

岩﨑氏は、今後の取り組みについて、「まずは、昨年達成できなかった当金庫の電気使用量3%削減を目指していきたいと思っています。例えば、デマンドコントロールの導入なども検討し、どうすれば電気使用量を各職員が自分ごと化して取り組んでいけるのかを考え、持続的な地域社会の実現へ当金庫が地域をリードできるよう、努めていきたいです」と意気込みを語り、同金庫 ・理事長の安田健一氏は、最後にこう締めくくりました。

 

 

「信用金庫は相互扶助を基本理念とする協同組織金融機関であり、会員や利用者、地域のニーズに応えることを経営の基本においています。当金庫は北区に本店を構える信用金庫として、地域とともに歩んでまいりました。これまでも、そしてこれからも地域社会の一員として、SDGsや脱炭素に貢献できるよう努めてまいります。」

事業者プロフィール

瀧野川信用金庫

1939年に東京都北区に設立し、「たきしん」の愛称で親しまれ てきました。 東京都内に16 店舗、埼玉県に 8 店舗の支店を持ち、預金、融資、為替といった基本的な金融サービス のほか、地域社会の発展と住民の豊かな暮らしの実現に貢献するための多様な業務を担っています。

瀧野川信用金庫:https://www.shinkin.co.jp/takishin/index.htm

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