‐コラム‐未来への一歩

電気代削減と脱炭素化を両立!上中里つつじ荘が導入した「エネオク」とは

毎月の経費を圧迫する電気代の高騰。「これ以上どう節約すればいいのか」「業務に支障が出るような無理な節電は難しい」と頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。

 

そんなお悩みを解決する新しい選択肢として、東京都北区が推進しているのが「首都圏再エネ共同購入プロジェクト」です。これは、⺠間事業者の脱炭素化と電気代の削減の両方を叶えるための電力プランの見直しを支援する取り組みです。

 

本記事では、このプロジェクトの仕組みと、実際に電力プランの見直しを行った北区の特別養護老人ホーム「上中里つつじ荘」の事例をご紹介します。

 


上中里つつじ荘

東京都北区上中里にある、社会福祉法人北区社会福祉事業団が運営する北区立の特別養護老人ホームです。

1993年7月に開設され、特別養護老人ホームのほか、短期入所事業、高齢者在宅サービスセンターからなる複合施設として、地域に根差した包括的な高齢者支援を提供しています。

上中里つつじ荘 公式HP:https://kitajigyo.com/aged_service/kaminakazato/index.html

 

再生可能エネルギー電力を安く調達できる仕組み

「首都圏再エネ共同購入プロジェクト」は、自治体や企業の脱炭素実現やエネルギー問題解決支援を行う株式会社エナーバンクを主体に、地域の脱炭素化に取り組む東京都北区を含めた33自治体(令和8年3月11日現在)が連携して行う取り組みです。

 

株式会社エナーバンクは脱炭素に関わるプラットフォームを運営しており、今回活用した「エネオク」では、リバースオークション方式を用いて、全国60社以上の小売電気事業者の中から、企業や自治体に最適な電力を調達できるサービスを提供しています。

 

本プロジェクトでは、「エネオク」の最大の特徴である、リバースオークションに加え、複数の自治体や事業者の需要を一つにまとめて共同購入する、つまりは大口の契約として提示することで、より価格を抑制した電力調達を可能にする仕組みを提供しています。

 

 

コストが高いというイメージのある再生可能エネルギー電力もこの仕組みを活用することで、通常よりも抑えられた価格での調達が可能になります。

 

そうすることで、事業者が再生可能エネルギー電力を選びながら、電気代の削減を目指せる環境を整えています。

「停電リスクなし」と「後戻りできる安心感」が決め手に

「電力の切り替えによる停電の心配はないのか」「オークションは聞き慣れなくて、少し怖い」「手続きが面倒なのでは」と不安に感じるかもしれません。

上中里つつじ荘の飯塚事務長によると、導入前は同様の不安を抱えていたといいます。

供給の安定性は変わらない

100人を超える入居者の安心・安全を最優先に考える上中里つつじ荘の飯塚事務長にとって特に懸念だったのは、「電力契約切替えによって運営に支障が起きないか」。

 

しかしエナーバンクによると、電力会社を切り替えても電気の質や安定性は全く変わらないといいます。

日本の電力供給システムでは、私たちが契約する電気小売事業者が変わっても、電気を届けるための電線は、これまで通り東京電力などの大手電力会社が担うといった仕組みになっているためです。つまり、新たな設備投資も不要で、初期費用もかからないというメリットもあります。

「やっぱりやめた」ができる安心感

さらに、このプロジェクトには「後戻りができる」という安心の仕組みがあります。

オークションは2段階入札になっており、まず1段階目で個別の見積もりから現在より安くなる見込みがあるかを確認。その後、2段階目で実際のオークションを行い、最終的な料金が提示されます。ただ1段階目の見積結果が希望に合わなかった場合には辞退することが可能であり、誰もが気軽に挑戦できる環境が整っています。

 

伴走型サポートで事務負担を最小限に

また、上中里つつじ荘・飯塚事務長によると、設備の切り替えや工事は無く、すべてオンラインの手続きのみで完結できたことも良かったといいます。

 

「手続きに要する業務量の負担も気になる点ではありましたが、提出資料がある場合は都度、何の資料が必要なのかご連絡いただけて、分からない専門用語などの小さなことに対しても、電話で丁寧に対応していただいたりと、思った以上にスムーズに手続きを進められました」(上中里つつじ荘・飯塚事務長)

導入1年で電気代3%削減と、職員の意識に起きた「変化」

本プロジェクトを通して電力の切り替えを行った結論として、つつじ荘は電気代の削減と環境貢献の双方で実績を上げることに成功しました。

 

具体的には、切替え後1年間(2024年10月~2025年9月)の電気代を、切替え前と比較して約3%削減しました。

オークション実施時の試算では約10%の削減が見込まれていましたが、その後の1年間で実際の市場価格が高騰したことに加え、国からの補助金の縮小、再エネ賦課金の上昇など、避けられないコスト増の要因が重なりました。しかし、そのような厳しい社会情勢下にあっても電気代の高騰に歯止めをかけ、確実なコスト削減につなげられたといえます。

 

 

さらに、再生可能エネルギー30%のプランを選択したことで、年間約24トンものCO2排出量を削減しました。

これは、スギの木約2,698本が1年間に吸収するCO2量に匹敵する量です。

 

また、思いがけない効果もありました。電力の切り替えをきっかけに、職員の方が施設の電力使用量を確認する機会が増え、設備の稼働設定を見直す動きが生まれたといいます。

 

「正直、電気代は思っていたほどには下がらなかったなというのが本音です。ただ、社会福祉法人の公益性の観点から、環境への取り組みを通して地域に貢献していきたいといった気持ちもありました。また、私たちの取り組みをきっかけに、当法人が運営している北区内の他の福祉施設でも安心して電力の切り替えをすることができたのも良かったと思っています」(上中里つつじ荘・飯塚事務長)

まずは「今の価格が適正か」を知ることから

上中里つつじ荘のように、「自分たちには無関係だと思っていた」という状態からでも、一歩踏み出すことで大きな成果を得ることができます。特に北区では、区とエナーバンクが協定を結んでいるため、安心して相談できる環境が整っています 。

 

「再エネなんて自分たちには関係ない」「難しそうで面倒だ」と感じている事業者様、また「コスト削減の余地があるのか」「自分たちの事業がどのように環境貢献につながるのか」と検討されている事業者様こそ、話を聞くことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

※ 北区 環境課へのお問い合わせはこちら (北区ロゴフォーム)

 

 


株式会社エナーバンク

主力事業である電力オークションサービス「エネオク」を中心に、企業や自治体向け電力及び再生可能エネルギー調達の支援事業を展開しています。2018年7月に設立し、電力や脱炭素に関する最新のマーケット情報や事例などが学べる「エネパーク」や太陽光発電設備導入支援サービス「ソラレコ」など、多岐に渡る支援事業を進めています。
株式会社エナーバンク 公式HP:https://www.enerbank.co.jp/